言語と発音
YOUTUBEを見ていたら、こんな動画がありました↓
1990年代前半に不思議だったこと
1990年代前半に中華人民共和国関係の日本のマスコミで働いていました。職場の半分以上は中国の方々でした。そこでね、すごく不思議だったんすよ。
「発音がみんなおかしい」
ってね。みなさん日本語ペラペラだったんですが、
「この人は外国の方だな」
「日本語が母国語ではない人だな」
と少し話すだけでわかっちゃうんですよ。
なんで不思議かっつーと、その職場の中国の方々は、とても優秀な人々だったから。
当時は共産主義中国が改革開放を本格化させて加速させたあたりです。ですから、まだまだ改革開放は一部の話で、基本は共産主義ですからね、私有財産なんてないわけで、お金持ちもいないし、外国への観光なんてのもあんまりなかったと思うんです。中華人民共和国の人が外国へ行くには、ものすごく制限がありました。日本から中華人民共和国に行くのにも制限がありましたし。
ですから、当時日本に来ていた中華人民共和国の人というのは、共産党幹部の関係者か、ま、その方々は、アレですが、それ以外の方は、全中国から選抜されて日本語を学んできたような、優秀な人しかいなかったんです。ま、一番優秀な方々は大使館とか大企業に行くとしても。
しかし、その優秀な方々でも、「この人は外国の方だな」「ネイティブではない人だな」という話し方というか、発音になっちゃうわけです。単語や文法はおかしくないんですが、発音だけがヘンになる、と。それがスゴく不思議でした。
イタリアのテシさん
で、時は流れて、最近YOUTUBEで日本語を話す外国の方の動画をよく見ています。すると、上記のことを強く思い出しました。
例えば、テシさんという方がいます。最初に紹介した動画の方です。
イタリア出身で、英国のケンブリッジ大学で日本語を学んだ方です。つまり、母国語ではない言語(英語)で、東大より難易度の高い世界屈指の名門大学で外国語(日本語)を学んだという、ひじょーに優秀な方です。
しかし、↑上記動画見ると、やっぱり発音が違いますよね。
「この人は、日本語が母国語ではないな」
と、話を少し聞いただけでわかります。単語とか文法はぜんぜんおかしくないんですが、発音がちょっとおかしいですよね。
不思議ですねぇ。
不思議じゃねーすか?
小原ブラスさんと中庭アレクサンドラさん
一方、子供の頃から日本で育ったという外国の方もいます。例えば下記の動画↓
上記動画でテシさんと話しているのは、小原ブラスさんと中庭アレクサンドラさんです。小原さんが6歳で日本に移住、中庭さんが10歳で日本に移住したそうなんですが、お二人は発音がまったくおかしくないですよね。少し聞いただけでネイティブだとわかるっていうか。
あ!そーか!
とね、上記の動画見た時思ったんすよ。
子供の頃、日本語を話していたかどうかで発音て変わっちゃって、いくら優秀な人でも、大人になってからではそれを取り返せないのか、と。
クラシック音楽家の話
で、思い出したのが、クラシック音楽家の話です。
ピアノとかバイオリンのクラシック音楽家って、子供の頃から練習を始めないと一流にはなれないんです。「一流」ってのは、CDが売れてるとか、観客動員力があるとかではなく、ショパンコンクールで入賞するとか、ベルリンフィルに客演するとか、そーゆー力量がある人ってことです。
なんでかっつーと、ちょっと出典を忘れたんですが、子供の頃にしか鍛えられない神経回路みたいなのがあって、それを使えるのが8歳とか10歳とかまでで、大人になってからでは鍛えられないらしいです。
なるほどなぁ。それが優秀な方でも母国語と同じように外国語を発音できない理由なんでしょうね。
発音も音楽と一緒なんですね。
スッキリしましたね。