もう7〜8年前、ムードコーラスの三大グループが競演する舞台が全国各地で行われました。三大グループってのは、下記です。

 

↓マヒナスターズ

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↓ロスプリモス

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↓東京ロマンチカ

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たまんないっすねー。たまんねーっす。

 

「なんだかよくわかんない」って人のためにご説明すると、嵐とNEWSと関ジャニが一緒に出てるようなもんでしょうか。

 

わかりにくければ、ビヨンセとレディ・ガガとテイラー・スウィフトが一緒に出てる、と言い換えればわかりやすいすか?

 

わかんねーっすか?(笑)

 

で、ムード歌謡好きのわたくしは2回見に行ってとっても感動したのですが、特に

 

「三條正人ってすげーなー」

 

と思ったわけです。

 

「歌に華があるなー」

 

と。

 

当時、おそらく60歳超えていた三條正人の歌を聞いて、そう思ったわけです。

 

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三條正人って、研究しやすいですね。

 

ご本人もよくMCでおっしゃってますが、三條正人は鶴岡雅義と東京ロマンチカを出たり入ったりしてきたので、「三條正人が不在の東京ロマンチカ」っていう時期も長いんです。

 

そん時にボーカルをつとめていたのが、2009年に59歳の若さで惜しくも急逝された浜名ヒロシです。

 

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そのため、例えば名曲「小樽のひとよ」が、バック演奏やコーラスはそんなに変わらずに、三條正人バージョンと浜名ヒロシバージョンの歌だけ聞き比べられるわけです。

 

そうすると、歌にとって華とは何か、ってのが、何となーく、よーくわかるんですね。

 

浜名ヒロシの歌唱というのは、なんかとても真面目なんです。キッチリ、カッチリ歌って積み上げていく、というか。リーダーの鶴岡雅義の指導もあるのかもしれませんが。

 

そうすると、なんかこー、華がなくて、ぜんぜん面白味がないわけです。

 

「小樽のひとよ」ってのはすごい名曲だと思うんですが、浜名ヒロシがメインボーカルと取ると、ぜんぜんそれが伝わってこなくなります。

 

https://youtu.be/dplKqATZOzs

 

↑この動画だと、所々かなり編曲を変えているのでわかりにくいかもしれませんが、下記のDVDでも三條正人とのツインボーカルをじっくり聞くことができます。

 

 

一方、三條正人が歌うと↓こうなります。前述の動画が1990年のものですが、以下の動画は、同じような時代、1996年のものです。

 

https://youtu.be/1NzD1D1PUj8

 

華がありますね。

 

「小樽のひとよ」が名曲だということが、じっくり伝わってきます。

 

ここが面白くて難しいとこですね。

 

浜名ヒロシの声が悪いわけでもないし、音程を外しているわけでも、リズムをはずしているわけでもない、と。にも関わらず、全体として面白味がなくなっちゃう、と。

 

重要な差異は、三條正人がいくつかの決め技を持っているということだと思います。それが歌唱を普通ではない、豊かな、独自の表現にしているのではないか、と。

 

一つは、ヨーデルを引用したような歌唱法です。これを所々に織り交ぜることで、普通に、真面目に歌うのとは違う印象を与えられる、と。

 

もう一つは、最高音部でファルセットを使える、ということです。

 

普通、男性歌手は、最高音部でファルセットを使えませんので、どうしても力んだ、張った音になってしまいます。浜名ヒロシは、そこをピアニッシモにしてこなしていますが、三條正人はファルセットにして、別の彩りを加えることができます。

 

上記の動画だと、すでに達人の域に入っていて充分にわからないかもしれませんが、三條正人の若かりし日の歌唱を聴いてみると、最高音部でファルセットを使うことによって、別の印象を与えることがよくわかります↓

 

https://youtu.be/rm3t8thfdi8

 

ということで、歌手の華というのは、普通ではないところ、自分の声やテクニックを注意深く活用して、普通の人にはできない表現の決め技を持つことなのではないか、と思い至りました。