もうすぐ12月ですね。12月というといつも連想するのは、「サンライズ・サンセット」という歌です。

↓映画版から

確か小学校高学年の頃のある12月、「サンライズ・サンセット」がCMで流れていました。

「何て良い曲なんだ。この曲は何というんだ?」

と父に尋ねると、

「「サンライズ・サンセット」という『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテーマソングだ」

と教えてくれました。ついでに、

「今、帝国劇場で森繁久弥の舞台をやっているから見にいくか?」

と。

で、見に行きました。心の底から感動しました。

この曲、普通に行くと朗々と歌うとこです。映画版ではそーゆー人(演劇畑出身のトポル)がキャスティングされてますし、森繁久弥の劇場版でも主人公テヴィエの奥さん役には代々宝塚の方がキャスティングされてまして、下記の動画ではおそらく淀かほるですが、やはり朗々と歌ってます。

が、森繁久弥の歌唱法が持っているペーソスが「サンライズ・サンセット」と素晴らしくマッチしてまして、いいんです。

また、それぞれの劇中歌が良かったです。LP買って耳コピしました。いまでの劇中歌の半分は歌えます(笑)

あんまり感動したので、他の舞台も見てみようと思い、市川染五郎(現 松本幸四郎)のあたり役だった『ラ・マンチャの男』を見に行きました。

染五郎はえらいカッコ良かったですが、内容はあんまりピンと来ませんでした。小学生には内容が難しすぎたのと、劇中歌があまり良くなかったです。

それから25年ほどのち、芸大を出てプロのコントラバス奏者になっている高校の同級生・吉田水子ちゃんに頼まれて、音楽劇に俳優として出演する機会が何回かありました。『アベラールとエロイーズ』という有名な話だそうで、書簡劇と言いますか、男性と女性が交わした書簡を、音楽の演奏をしながら朗読しあう、という内容です。

その朗読をしながら、私は、自分の中の何かをなぞって演じている事に気付きました。

何だろうと考えたところ、それは昔々『ラ・マンチャの男』で見た、えらいカッコ良かった染五郎(現 幸四郎)のイメージでした。それがマザマザと蘇ってきました。

自分が認識している記憶の中では『屋根の上のバイオリン弾き』の方が感銘を受けてたのに、同じようなことをやろうとすると、あんまし面白くなかったという記憶がある『ラ・マンチャの男』から記憶が引き出されてくる、と。

人間の体験というものは、何がどう役に立つか、何がどう助けになるかわからないんだなぁ、と思いました。